メリットについて

 

私たち在日韓国・朝鮮人が帰化することによって生じるメリットとデメリットについて考えてみました。

 

 

1.日本人と対等・平等な地位に立つことができる。

 

 (1)就職の際のハンディがなくなる。

 

日本の民間企業に就職する際に、韓国・朝鮮籍であると不利になる可能性があります。

 帰化すれば、このような心配もなくなります。

 実際に、「就職の際に苦労させたくないので、子どもには帰化させる。」という方が多いです。

 

 ただ、このことについては、たとえ差別があったとしても証明することはできません。

 応募した会社に不採用となっても、会社側は、「あなたは、韓国籍であるので不採用としました。」というように、不採用の理由を明らかにしてくれたりしないからです。

 

 今から30年以上前くらいに、在日韓国人で大学生であった人が、就職がなかなか決まらないので大学の就職部に相談に行ったところ、「韓国人の場合は、よほどのことがないかぎり採用されない。日本の会社に就職することはあきらめなさい。」と大学の職員の人にはっきり言われたという話があります。

 一流有名大学を卒業しても、このような状況だったようです。

 かつては、在日韓国・朝鮮人が、まともな職につこうと思ったら、医者か弁護士になるしかないと言われた時代がありました。

 

 さすがに、現在の日本では、だいぶん状況は改善されていると認められますが、やはり、現在でも、就職の際に在日韓国・朝鮮人は一般の日本人に比べたら不利な状況に立たされることは否定できないでしょう。

 

 もし帰化せずに、希望の会社に応募して不採用となったとしたら、「帰化していたら採用されていたかもしれない!」と後悔してしまうかもしれません。

しかし、帰化した後に応募して不採用となったとしても、自分の能力に対する評価が原因であったので仕方がないと納得することができるでしょう。

 

(2)企業内での昇進に関するハンディが無くなる。

 

 また、帰化をせずに、韓国籍のまま、日本企業に就職できたとしても、管理職に昇進できるか否かの査定の際に、韓国・朝鮮籍であることがマイナスの要素として考慮される企業もあるようです。

現実に、管理職に昇進するまでに帰化することが暗黙の了解のようになっている企業があるそうです。

 

 

(3)個人事業、会社経営が、やりやすくなる

  

  日本の金融機関から融資を受ける際に、韓国・朝鮮籍であると不利な方向に考慮されることもあるようです。

 

 日本国籍を持っていたほうが商売がやりやすいでしょう。

 

2 偏見を無くすことができる。

  ひところより、少なくなってしまいましたが、テレビでは韓国ドラマが毎日のように放送され、K-POPのコンサートが行われると多くの日本人ファンが集まります。昔に比べて、韓国の文化が日本でも親しまれるようになりました。

 

 しかし、その一方で 残念ながら、まだまだ、日本人の中には、韓国・朝鮮のことを毛嫌いする人もたくさんいます。

 この種の人たちに対して、帰化して日本人になったのだということを示せば、若干でも、好印象を与えることができるかもしれません。

 帰化するということを、日本に対する忠誠心を持っているというようにとらえる日本人もいます。

 

 また、現在、日本社会には韓国・朝鮮人を差別・蔑視する風潮が存在しないかと言えば、もう存在しないのだ、とは、まだ言い切ることができません。

 

 インターネットにあふれる韓国・朝鮮に関する悪意ある言説。

 現実の世界でも、そのような発言をする日本人もいます。

   たまたま入った飲食店で、隣のテーブルに座っていたグループが白昼堂々と、在日韓国・朝鮮人の悪口、差別的言動を行っていたことがありました。

    書店に行けば、嫌韓本がたくさん並んでいる上に、かなり売れています。公立図書館でも、そのような書籍が堂々と並んでいます。

 

 このような風潮に対して、帰化は「踏絵」のような効果をもたらすでしょう。

 帰化は、私たちを日本社会の正当な構成員として受け入れる条件として要求されているといえるでしょう。

 

 外国籍を持ったまま生きていくということは、社会の中で「少数者(マイノリティー)」として生きていくということです。

 少数者に対して、多数者は、どうしても偏見を持ってしまう傾向があります。

 

 帰化をすることによって、日本国籍を取得すると、国籍という面では多数者となることができ、偏見を持たれずにすむと言えます。

 

 

 

3. 国家公務員になることができる。

  地方公務員の管理職への昇任の壁がなくなる。

 

 国立大学の教員など一部の職種を除いて、日本国籍をもっていなければ国家公務員になることはできません。

 

 地方公務員は、都道府県庁職員や市町村職員には、日本国籍がなくともなることができます。

 しかし、管理職になることまで外国籍保有者には保障されていません。

 (最高裁 判例 平成17年1月26日大法廷判決)

 

 日本に帰化して日本国籍を取れば、このような壁はなくなります。

 

 可能性としては内閣総理大臣にもなれます。

 (もっとも、日本社会が元韓国・朝鮮籍者に、これを認める可能性は無いに等しいと思いますが)

 

 国会議員にも、市会議員にもなれます。

 

 自衛隊にも入れるでしょう。

 

 韓国籍、朝鮮籍の人が司法試験に合格しても、なれるのは弁護士だけですが、帰化して日本国籍を取得すれば、検事や裁判官にもなることができます。

 

4. 日本の選挙権・被選挙権を得ることができる。

  

  日本の地方選挙、国政選挙すべてに投票できますし、立候補もできます。

 

 

5. 精神的にラクに生きていくことができる。

  

  日本で生まれ育って、祖祖父の代から日本に定住し、日本の学校を卒業し、日本語で物事を考え、韓国語はまったく知らず、友達も同僚もすべて日本人。

名前も日本風の通名を使っている。税金もすべて、きちんと納めている。

意識としては、もう日本人であるという人が多いです。

 

  それなのに、韓国・朝鮮籍であることで、日本人と同じ権利は認められない。

 就職では差別される。

 ヘイトスピーチなどで、いやな思いもする。

 

 韓国・朝鮮籍のまま日本で生きていると、ほんとうに理不尽に感じることが多いです。

 

 また、日本と韓国・朝鮮という2つの国は、なんやかんや言って昔から今まで仲の悪い国ですので、しょっちゅうもめごとが起こります。

  そのたびに、日本に住んでいる在日韓国・朝鮮人は、やきもきして、自分に何か影響がないか心配になります。

 何があっても、日本では、日本が正しくて、韓国・朝鮮は悪いということになります。

 

 しかし、帰化をすれば、気持ちの整理がつくというか、もう自分は日本人として生きていくのだ!という気持ちになります。

 そのようになれば、日本と韓国・朝鮮の間に何がおころうと自分には関係ないことだから気にはなりません。

 

 また、権利も平等に保障されますし、制度的、法律的な差別などもなくなります。

(ただし、民族的出自に対する差別、偏見は残るかもしれません。)

 

 日本人としての意識を持っているのに、国籍は韓国・朝鮮籍なので、意識と地位が乖離しているという人が多いと思います。

 

 

 また、韓国籍、朝鮮籍であると、住民票などの公的文書に国籍や本名が書かれているので、それらを提出する機会があるときに、自分が韓国籍、朝鮮籍であることがわかってしまいます。

  ふだんから、韓国籍、朝鮮籍であることを周りに明かさず通称名(日本名)で生活している人にとって,自分が韓国人、朝鮮人であることが周りにわかってしまうのは、気持ちの面で辛いものがあるでしょう。

 

 最近では、マイナンバーカードに通称名と本名が記載されているので、そのようなおそれが生じることが増えてきました。

 

 帰化して日本国籍になってしまえば、そのような韓国名、朝鮮名も公的文書に記載されないので、自分の出自が露見することがなくなり、辛い思いをしなくてもよくなるでしょう。

 

 帰化することにより、自分の苦しみを生んでいる原因がなくなるので、その分、精神的にラクに生きて行くことができるといえます。

 6. 外国に滞在中に有事が発生したり、何かトラブルがあったときに日本大使館や日本政府に助けてもらえる。

 

    外国に旅行中や、留学、仕事で滞在しているとき、韓国・朝鮮籍の人であるなら、韓国の大使館や政府、朝鮮民主主義人民共和国の大使館や政府から保護を受けるのが原則になります。

 

    しかし、日本で生まれ育った在日韓国・朝鮮人は、韓国・朝鮮語がまったくわからない人も多く、大使館職員や政府職員との意思疎通ができません。英語ができれば、意思疎通ができるのですが。

    それなので、外国滞在中に何か緊急事態があっても、韓国・北朝鮮の現地要員に、きちんと事情を説明して助けてもらえないおそれがあります。

 

    かといって、日本大使館や、日本政府に、日本語で助けを求めても、外国籍者なので助けてくれないと考えられます。

    助けてくれたとしても、あくまで「人道的」にしか応えてくれません。

   戦争や災害が起きても、日本人の救助が優先となるでしょう。

 

    これが、帰化をして日本国籍を持っていれば、堂々と日本語で日本大使館や政府に救助を求めることができ、安心です。

 

7.  韓国の徴兵義務がなくなる。

  といっても、ニューカマー以外の日本生まれの在日韓国人の中で、徴兵義務にひっかかりそうな人は、それほどいません。

  日本生まれの「在外国民2世」で、1994年1月1日以降に生まれた人で、韓国の大学に4年間留学して、そのまま韓国で就職して、ずっと韓国で生活している場合などに限られます。

 在日韓国人にも韓国兵役義務(徴兵制度)が課される!?

  そのような場合でも、日本に帰化して日本国籍を取得し、韓国国籍を放棄すれば、韓国の兵役にいかなくてもすみます。

 

 デメリット編は、次回へ続きます。

帰化のメリットとデメリットとは?(2)デメリット編

サポートエリアのご案内

 近鉄大阪線エリア

  大阪難波・日本橋・上本町・鶴橋・今里・布施・俊徳道・長瀬・弥刀・久宝寺口・八尾・山本など

 近鉄奈良線エリア

  永和・小阪・八戸ノ里・若江岩田・花園・東花園・瓢箪山・枚岡・額田・石切・生駒・東生駒など

 地下鉄千日前線

  なんば・日本橋・谷町九丁目・鶴橋・今里・新深江・小路・北巽・南巽など

 JR大和路線

  八尾・久宝寺・加美・平野・東部市場・天王寺・新今宮など

 JR大阪環状線

  大阪・天満・桜ノ宮・京橋・大阪城公園・森ノ宮・玉造・鶴橋・桃谷・寺田町など 

 JRおおさか東線

  放出・高井田中央・JR永和・JR俊徳道・JR長瀬・衣摺加美北・新加美・久宝寺など

 他市内全域(生野区・平野区・東成区・天王寺区・都島区・城東区・鶴見区・浪速区・中央区・大正区・住吉区・東住吉区など)

 他府内全域(東大阪市・八尾市・柏原市・大東市・門真市・守口市・枚方市・四條畷市・寝屋川市など)

 近畿全域(大阪・和歌山・奈良・京都・兵庫)

 日本全域

康行政書士事務所

行政書士 康 朝勝

東大阪市衣摺5-19-42

TEL06-7177-9156

お問い合わせはLINEでも

LINE ID @ysa1043t