帰化のデメリットについて

 

  メリットだけを、つらつらと書いて「帰化すれば、こんなにいいことばかりなので、皆さんそろって早く帰化しましょう!」と書いた方が、帰化する人も増えて、行政書士としては、仕事が増えていいのですが、あえてデメリットについても考えていきたいと思います。

 

1. 費用的な負担

 

  帰化申請は、行政書士に頼まなくとも、申請者本人ですることができます。この場合は、自宅から法務局までの交通費と、韓国の戸籍・証明書の翻訳費用だけですみます。

  翻訳が自分で出来るのであるなら、その費用も必要ありません。

  申請じたいには、手数料もいりません。

 

  しかし、仕事があるので、平日にはなかなか仕事を休んで法務局に行ったり、書類集めのために役所や領事館に行けない、という人や、自分でやるのは難しそうだという人は行政書士に頼む必要があります。(もっとも、頼んでも受付と面接には必ず行かなければいけません。(大阪の場合))

 

 帰化申請を行政書士に頼んだ場合、相場として、一人10万円プラス翻訳代と言われています。

 しかし、これも、あくまで、相場であり、これ以上、もっととる人もいます。

 

 翻訳代だけでも、戸籍をたくさんさかのぼって取らなければいけない場合、それだけで、20万円を超えることもあります。

 

 家族5人が、そろって帰化をして、行政書士の報酬と翻訳代を合わせて120万円くらいかかったという話もあります。

(当事務所にご依頼いただければ、そこまで費用がかかることはありません。)

 

2. 申請のための労力

 

 行政書士に頼んだ場合でも、最低、受付と面接のときは申請者本人が法務局へ行かなければいけません(大阪の場合)。

行政書士に頼まず、すべて自分で申請をする場合、最低でも、相談、受付、面接と3回、法務局へ行かなければいけません。

しかし、実際には、書類をそろえても、不備があることが多く、それ以上何回か行く必要が出てきます。

 

行政書士に頼まず、自分でやる場合は、書類集めを自分でしなければいけません。

戸籍、住民票、納税関係の証明書・・・

兄弟のものまでいる場合もあります。

離婚歴のある場合は、前配偶者の戸籍も必要です。

 日本の書類は、郵送で請求できるのでなんとかなります。

 

 また、近年に転職していた場合、前の職場に連絡して、源泉徴収票をもらわなければいけません。何か事情があって辞めた場合、言いにくいこともあります。

 

 韓国関係の戸籍・証明書は領事館に行って取る必要があります。

 郵送でも、取れるのですが、窓口で直接口頭で言わなければわからないことも多いですので、ちょっと難しいとおもいます。

 これも1回ですんだらいいのですが、不足がわかった場合、何回も行かなければいけません。

 

3. アイデンティティの喪失

 

(1)韓国籍・朝鮮国籍を持っていることが自分の個性の一つであると考えている人もいます。私も、このように考えています。

 このように考える人にとっては、帰化をして日本国籍を取得し、韓国籍・朝鮮国籍を喪失すると、自分の個性の一部分も失われたと感じるので、自分が自分でなくなるような気がして、生きづらくなります。

 

 (2)韓国名が無くなってしまう。

 

 在日韓国・朝鮮人の90%以上の人々は、仕事や日常生活などでは、韓国名ではなく、日本風の通称名を使っています。

 しかし、それであっても、本国の戸籍に登録されている韓国名が自分の本名であると意識している人もいます。

 

 それなのに、帰化してしまうと、たいていの場合は、日本風の通称名を帰化後の氏名としますので、韓国名が公式的記録としては無くなってしまいます。

 

4. 精神的な負担

 

 (1) 上述のアイデンティティの喪失とも関係のある話ですが、在日韓国・朝鮮人の多くの人々が日本人と同じ意識を持っているとしても、潜在意識的には、韓国・朝鮮人としての意識がある場合もあります。

 

そのような場合に、帰化すると、なかには、日本人以上に日本人になろうとして精神的にまいってしまう人もいるようです。

自分の体に、日の丸の刺青をしたり、精神疾患にかかる人も出ているという在日韓国人精神科医の報告を読んだことがあります。

 

(2)申請に伴う精神的負担

 

 帰化を担当されている法務局の職員の方々は、ほんとうに親切で職務に忠実な方々ばかりです。

 しかし、悪気はなくとも、受け取る側からしたら屈辱的な言動であると感じることもあります。

 

 少数の方ですが、上から目線でものを言ってくる人もいるそうです。

帰化という申請の性質上、仕方のないことかもしれませんが。

 

 丁寧語を使わずに、ため口で、話をされる方もいらっしゃいます。

 現在の役所で、職員が、市民に対してため口で話すところは、あまりないと思われます。

 

 申請者の緊張をほぐし、親しみを出そうとしていらっしゃるのでしょうか。

 

 いろんなことを根掘り葉掘り聞かれれたので、ショックを受けたという方もいらっしゃいます。

 

 職員の対応が怖かったという方もいらっしゃいます。

 

 

5.まとめ

 

 以上、帰化についてのメリットとデメリットを、思いつくままに書いてきました。

 

 ほんとうに、帰化するか否かというのは、人それぞれの価値観によるものであると思います。

 

 自分が幸せに生きて行くためには、どうすればいいのか。

 

 帰化する人に対して、帰化なんてするな。と言うべきではないし、

逆に、帰化しない人に対して、なぜ帰化しないのか?と言うべきではないと思います。

 

 本来であるなら、どの国籍の人であっても平等に扱われる社会が理想です。

 

 帰化とは、幸せに生きて行くための手段。

 

 国と国の間にある国境という壁を乗り越えて、日本社会で活躍していくための手段であるとおもいます。

 

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