在日韓国人と韓国兵役義務(徴兵制度)
1. 近年、韓国の兵役関連の法令が改正され、日本に住む我々在日韓国人にも多少の影響が及んでいます。
2. 韓国国民の男性には、兵役義務があり(大韓民国憲法39条、兵役法3条)、20歳から37歳の間に兵役義務を履行しなければいけません。
しかし、国外移住者や、国外出生者等、国外に居住している国民には、兵役の猶予や、免除を認める等、便宜が図られています。
日本で生活する在日韓国人(韓国籍保有者)の男性は、「在外国民2世」に該当する場合、日本にある韓国領事館、韓国大使館で申請をすれば、韓国兵役義務が免除されます(ただし、下記のとおり1994年1月1日以降の出生者の場合は別の考慮が必要です。)。
「在外国民2世」とは・・・
①韓国以外において出生、または、6歳以前に韓国を出国した人
②17歳まで本人と父母が続けて韓国以外に居住
③本人が17歳になるまでに、本人と父母が日本の永住資格を取得した人
※①~③全て該当する人が「在外国民2世」にあたります。
【1994年1月1日以降に生まれた人の場合】
「在外国民2世」にあたっても、次のいずれかに該当すると、
「国外移住者」となり、兵役義務が生じる可能性があります。
〇7歳から17歳までの期間中(小学校から高校まで)、本人もしくは父母のうち誰かが、1年に通算90日以上、韓国内に滞在した場合
〇「在外国民2世」の申請で承認を得た者が、留学やその他の理由で18歳~37歳(20年間)の期間に、韓国滞在が通算3年を超過した場合
「国外移住者」となった後、さらに次のいずれかに該当すると「入隊対象者」となり、兵役義務が生じます。
〇1年間に通算6か月(183日)を超えて韓国に滞在した場合
※留学は「6か月(183日)」のカウントに入りません。
※卒業、修了と同時に6か月(183日)のカウントが始まります。
〇韓国国内において、60日を超えた営利活動(就職・自営など)を行った場合
3. まとめ
日本にずっと住んでおられ、韓国には、たまに旅行に行ったりするくらいの在日韓国人の特別永住者、永住者の方に韓国の兵役義務が及ぶということはありませんので、ご安心ください。
上記の要件から兵役義務が及ぶ場合として具体例の一つとして考えられるのは、
1994年1月1日以降に日本で生まれて、ずっと日本で生活していたけれども、18歳のときに韓国の大学に留学して4年間大学で学び、卒業後、そのまま韓国で就職して60日が経過した場合です。
もちろん、帰化して日本国籍を持っている人や、両親のどちらかが韓国国籍であるが、ご本人は日本国籍だけを持っている場合には韓国の兵役義務が生じることはありません。