韓国人どうし、あるいは日本人と韓国人のご夫婦から生まれた子どもさんの出生申告を韓国に出すとき、名前をどうするかについて、悩んでおられる方もいらっしゃるかもしれません。
せっかく、かわいい日本語の名前を付けてあげたのに、その名前の漢字を韓国語で発音すれば、韓国語としては、違和感のある語感になる場合があります。
例えば、女の子に「葵(あおい)」という名前を付けたとして、それを韓国語で発音すれば「규(キュ)」となり、あまりカワイイとはいえない発音になってしまいます。
このような場合は、日本人と韓国人の夫婦から生まれた子どもさん(二重国籍)の場合は、韓国への出生申告には、名前の漢字を記載せずに、「아오이」(アオイ)というハングルだけを記載して届けることもできます。韓国の出生申告に漢字で「葵」と書いて、「아오이」(アオイ)とハングルで記載することはできないようです。
他方、韓国人同士のご夫婦から生まれた子どもさんの場合は、日本の役所に届けた出生届けに書かれた名前の漢字どおりに韓国へ出生申告を出さなければなりません。日本の出生届に「葵」と書いて届けたのであれば、韓国の家族関係登録簿上の名前の発音は、「규(キュ)」となってしまいます。
ちなみに、韓国の出生申告の際に名前として使うことができる漢字についてですが、日本と同じように人名として使える漢字が決まっています。
http://efamily.scourt.go.kr/cs/CsBltnWrtList.do?bltnbordId=0000009
どうしても、名前の日本語の発音と、韓国語の名前の発音を同じにしたい場合は、どうすればよいでしょうか?
その方法の一つは、名前をカタカナやひらがなだけにして、それを日本の役所に出生届に書いて出せば、韓国に出す出生申告の名前も、ハングルだけになり、日本の名前と、韓国語の名前の読み方を同じにすることができます。
例えば、日本の出生届で名前を「さらん」と届ければ、韓国への出生届も「사랑(サラン)」とできるでしょう。
それとは違い、漢字で「愛」と書いて、韓国には「サラン」と申告することはできないようです。
二つ目の方法は、日本語での発音と、韓国語での発音が同じ漢字を組み合わせて名前をつけることです。
日本語での発音と、韓国語での発音が同じ漢字で、名前に使えそうなものとして、「沙」(さ、사)、「美」(み、미)、「羅」(ら、라)、「由、有」(ゆ、유)、「奈」(な、나)、「里、理、利」(り、리)などがあります。これらを組み合わせたら、日本語でも韓国語でも発音が同じ名前をつけることができます。
「美沙」(みさ、미사)、「沙羅」(さら、사라)、「沙奈」(さな、사나)、「美奈」(みな、미나)、「由里」(ゆり、유리)、由奈(ゆな、유나)・・・など、日本と韓国どちらでも違和感なく通用する名前をつけることができます。
少しでも、ご参考にしていただけましたら幸いです。