今回は、韓国 入養関係証明書(養子縁組関係証明書)とは何か?ということを中心に韓国の養子制度と相続手続きの際に注意しなければいけないことについても見ていきたいと思います。

 

 入養関係証明書とは、養子縁組に関連する身分変動事項を証明する証明書です。

 家族関係登録簿登録事項別証明書のうちの一つです。家族関係登録簿登録事項別証明書には、他に基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、親養子入養関係証明書(特別養子関係証明書)があります。

 

必要となる場面

 

 帰化申請の際、申請者本人の入養関係証明書が必要となります。

 

何が記載されているのか?

 

 本人、養父母、養子の各特定登録事項すなわち姓名、生年月日、住民登録番号、性別、本と、養子縁組、離縁、養子縁組の無効、取消に関する一般登録事項すなわち養子縁組に関する身分変動事項が記載されています。

 

 家族関係証明書では養子を「子」と表示し、嫡出子とは区別せずに記載していますが、入養関係証明書では「養子」として表示されます。

 

 離縁、養子縁組が無効であったり、取消された場合、当事者の家族関係登録簿において相手方当事者に対する特定登録事項が抹消されるため、入養関係証明書の特定登録事項欄には記載されず、一般登録事項欄にその事由が記載されます。

 

韓国相続実務で、よくあるケース

 

 入養関係証明書の話題とは直接の関係はありませんが、韓国関係の相続の実務をやっていると、養子が絡んでくるケースがよくあります。

 

 多いのが、韓国籍の被相続人(亡くなった人)が、実の子どもが女の子しかいなかったので、戸籍上や族譜の跡を継がせるために養子を取っていた場合です。

 被相続人が自己の兄弟の子ども(甥)を養子として、もらいます。

 被相続人だけが韓国から日本に来て住んでいて、兄弟は韓国にずっと住んでいるということが多いです。もちろん、その養子となっている甥も韓国に住んでいて、日本には挨拶くらいで数回だけ来たことがあるか、もしくは一度も来日したことがなく、日本では生活したことがありません。

 日本で生まれて、ずっと日本で生活してきた被相続人(亡くなった人)の相続人(子どもたち)は、戸籍上は兄弟であったとしてもその養子とは、数回しか、あるいは全く会ったこともありません。

 親の代では、韓国の兄弟、親戚とつながりがあったのですが、子どもの代になれば、韓国語も話すこともできず、連絡も取ることもなく、韓国の親戚の居所もわからなくなっています。

 そのような状況で、家の登記の名義を変えるための手続きを進める際に、韓国の戸籍を取り寄せて見てみたら、数回しかあったこともない、あるいは全く会ったこともない人が養子となっていて相続人として突然登場!してくるという予想外の事態になることがよくあります。

 その養子の人とは、韓国のどこにいるのかわからなく連絡もつかないので、にっちもさっちもいかなくなります。

 このような場合は、その養子の人を「不在者」として日本の家庭裁判所に不在者財産管理人選任の申立をして解決することができました。

 

 古い戸籍謄本(除籍謄本)には、養父の名前しか載っていないのに!?

 

 韓国の古い戸籍謄本には、養子の人の欄に、養父の名前しか載っていない場合があります。

このような場合、養父の配偶者(妻)は養子とは養子縁組の関係は生じておらず、親族関係は無く相続の関係も生じない、と考えるのが日本の戸籍、親族法の感覚です。

 

 しかし、日本と同じ感覚で考えていたら、エライ目にあいます。

 

 日本では、配偶者のある者が成年者を養子とする場合には、夫婦共同で縁組をする必要はなく、常に単独で縁組をすることができます。

 この場合は、戸籍にもその養子縁組関係が生じた養父だけの記載があります。

 養父の妻と養子の間には、養子縁組の効力はなく、親族関係、相続関係もないと考えていいでしょう。

 

 しかし、韓国では、養子を夫婦一方の単独で行うことは認められておらす、原則として夫婦共同でしなければいけません(韓国民法874条1項)。

 ですので、少し前の除籍謄本に養父の名前しか載ってなかったとしても、養父の妻が養親になっていないと考えることはできません。養父の妻も必ず養親(養母)となっています。養父の妻がなくなっていた場合は、養子と養母との相続関係が生じます。この点が注意しなければいけないところです。

 

実際に、韓国の除籍謄本を取って、養子の養父欄に記載だけあり、養母の欄自体が設けられておらず、養母の記載がまったくないのに、その養子の入養関係証明書を取って見たら養父と養母の記載がどちらもちゃんとあったということが実際にありました。

 

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